型にはまらない仕事の仕方ってなんだろう
無職になってから勉強をしたりあちこち出かけているのですが、
通っているゼミで話題になっていたので、購入。
「働き方研究家」の著者が、さまざまなスタイルで働いている方々に取材して執筆された本です。
この本の面白いところは、本文の下に余白が大きく取られているんです。
ここに、思ったことを自由にメモ書きしてくださいねというメッセージ。
フリクションペンでザクザク書くことにしました。
2回目、3回目と読むごとに更新できるように。
読んでいてこの算数のことを思い出したのでメモに書いたら、
後ろのほうで著者が同じことを書いていて、嬉しかった。
メモ書きの中から、特に印象に残ったものを抜粋します。
【1】八木保さんの働き方
・色見本を使わずに自然で拾ってきた木の葉・石・ブリキなどを並べて「こういう感じ」と仕事を進めていく
・観察精度とデザイン精度は比例する
・イメージと現実のギャップがあるからこそ悩めるし成長できる
・健康な身体には健康な精神が宿る(村上春樹と同じ)
【2】象設計集団の働き方
・手間暇を惜しまない仕事ができるのは「時間」という資源を多く持っているから
・プロジェクトメンバー間で、特に口にしなくてもわかっている「何か」を共有すること
【3】柳宗理さんの働き方
・図面化は最後。まずは模型をつくる。時間はかかる。
・デザイン雑誌を見に行くのはダメ
・レンダリング(物体の見え方を計算しながら画像をつくること)は悪
・目的が入れ替わる現象に注意(写真家が機材を集めているうちに機材のほうが目的になってしまうなど)
【4】IDEOのデニスさんの働き方
・経験をデザインすること。コーヒーカップそのものではなく、コーヒーを淹れてのむことの幸せを考える
・具体化するタイミングが遅くなればなるほど失敗が許されなくなるので、早めに具体化すること
【5】ヨーガンさんの働き方
・色や触感がどうということより、そのもの自身が「大事」か「大事じゃないか」
【7】まとめ
・デザインは「人を幸せにする」ことが本来の目的。
・デザインにおいて「こんなもんでいいでしょ?」は目に見える。
・叱る、褒める行為は相手に一歩踏み込むものなので、その人に対する責任が問われる。踏み込む側が「自我の誇示」を行うと相手の心は拓かない。
・内在的なエネルギーを良い形で燃焼できている人はイキイキしている。できてないひとは歪んだ形で処理せざるを得なくなるので結果的に切れやすい人間が生まれる
・魅力的な物事に共通するなんらかの法則を見出すには、好きだけど理由がわからないものをいくつか並べてみる。中途半端な掘り下げではなく、深度を極端に強めていくと、自分という個性を通り越して「人間は何が欲しいのか」「何を快く思い、何に喜びを見出す生き物なのか」といった本質にたどり着く。
・あらかじめ意味や価値が約束されている仕事などどこにもない。
・「自分の仕事の目的は何だったか」を日々自問すること。
・「ありがとう」と言われる仕事をしよう
最後まで読んでいて、いたるところに村上春樹の長編作品を思い起こさせる表現がでてくる。本文にも出てくるので、もしかしたら著者が好きなのかもしれないが、最新作「騎士団長殺し」や「1Q84」などで感じたことと通じるものがいくつかあった。時間を味方に付けることとか、力を引き出すことの重要性とか。