ひつじとハンモック

=30代OLひとりぐらしの日常=

「言の葉の庭」と、絶望を乗り越える方法。

動画配信サイト「U-NEXT」でアニメ映画「言の葉の庭」を観ました。

ある雨の日。学校をサボった高校生の主人公と、会社をサボった女性が公園で出会う。二人は雨の日に会っては少しずつ心を通わせていくが…。
とても静かで、透明感のある映画でした。

予告動画はこちら。


『言の葉の庭』 予告篇 "The Garden of Words" Trailer

彼女はこんなに会社をサボって大丈夫なんだろうか。
昼間からビールを飲んでチョコレートを食べてばかりいるのはなぜだろうか。
なぜ、素性を明かさないのか。

 

彼女の正体がわかっていくにつれて、私はどんどん彼女に感情移入していきました。

 

ずっと「静」の世界観が続いていく映画ですが、終盤の「動」のシーンがぐっときます。涙がとまらなかった。

 

ここから先は盛大にネタバレします。ご注意ください。

 

この映画を見る前に、U-NEXTで「アニメでわかる心療内科」を観ていたんです。
テーマは「絶望は4段階で受け入れる!?」というもの。

とても辛いことがあったとき、人は4つの段階を経て立ち直るらしい。

1、否認(そんな馬鹿な…認めたくない!と現実を否定する)

2、怒り

3、諦めと受容(しょうがないよねと現実を受け入れる)

4、希望(明日からがんばろう、次の恋をみつけよう、と前向きになる)

 

なるほど、失恋したときもこの段階を経ないと、傷がいつまでも残ってしまうんだなと思ったり、今の自分は「(友人への)怒り」と「諦めと受容」を行ったり来たりしているなとか考えていたんですね。

 

そして、「言の葉の庭」を観ていて、終盤。
主人公が彼女に告白をするのですが、彼女も主人公に好意はもっているものの、立場上「私も好き」と言えないため、断ってしまいます。

 

彼は彼女の部屋から去ります。ひとり残された彼女は、しばらく自分のしたことを考え、後悔し、主人公に想いを伝えようと決意し、部屋をとびだします。

 

そして、彼女は彼に会います。彼は階段の踊り場でひとり、ぼんやりとなにかを考えていたようでした。彼女は彼に想いを伝えようとします。ですが、彼はその言葉を「さっきの(言葉)は忘れてください」と遮ります。「俺、やっぱりあなたのこと、嫌いです」と、過去を振り返って、彼女の嫌だった部分を全部ぶちまけます。

 

その彼の言葉に耐え切れず、彼女は泣き叫び、彼のもとへ駆け寄ります。そして、ずっと言えなかった、押さえ込んでいた、自分の気持ちをぶつけるんですね。
そのシーンが、すごく胸に刺さって、一緒に泣いていました。何度見ても泣いてしまう。ああ、私もこうやって、彼にちゃんと、ぶちまければよかったなと思ったりもしました。

 

同時に、どうして彼は突然怒り出したんだろうという疑問がうまれたのですが、それはさきほど書いた、「絶望の乗り越え方」を見ると理解ができました。

 

主人公は想いを寄せていた彼女に告白してふられ、絶望を味わいます。
そして彼女の部屋をでて、階段の踊り場でひとり、考えていたのではないでしょうか。どうして、心が通じていたと思っていたのにと「否認」をしていたのではないでしょうか。そして彼女と顔を合わせた時に「怒り」が生まれたということなのかなと。

 

そう考えると、その後しばらく、この2人は遠距離になるので会えなくなるのですが、その期間が彼の「諦めと受容」の期間だとすると、ラストで「いつか会いに行こう」という結論になったのが「希望」。彼は無事にその失恋を乗り越えたのだという結論になります。

 

2人は互いに想いを寄せ合っていたのだから、いつか付き合う未来があるのかもしれないけれど、おそらくそれは、しばらく先の話になるのでしょう。もしくは、付き合うことはないのかもしれない。恋人になるのとは別の、ポジティブな関係になるのかもしれません。親友とかそういう関係に。

 

私の場合はどうだろう。この2人のようになれるだろうかと考える。
おそらく無理だろうとも思う。
だけど。
正しい恋ではなかったけれど、あの頃の私には、彼の存在は必要だった。
私は彼を救いたかった。同時に、私も救われたかったのかもしれない。

 

 

言の葉の庭 Memories of Cinema

言の葉の庭 Memories of Cinema